食物繊維を意識したいと思っても、「野菜だけ増やせばいい?」「毎日何グラム必要?」「忙しい日は何を選べばいい?」と迷うことがあります。
先に結論をお伝えすると、一つの食品だけで目標を埋めようとせず、主食・副菜・豆類・果物などから少しずつ組み合わせるのが現実的です。白いごはんを麦ごはんへ替える、いつもの汁物を具だくさんにする、納豆や果物を一品足すなど、今の食事に続けやすい変更を一つ選びましょう。
この記事の要点 成人女性の食物繊維の目標量は、18〜74歳で1日18g以上、75歳以上で17g以上です。現在の食事を急に大きく変えるより、まず1日3〜4gほど増やす考え方が厚生労働省の情報で紹介されています。体調を見ながら少しずつ増やすことが大切です。
食物繊維とは?「野菜のスジ」だけではありません
食物繊維は、難消化性炭水化物と呼ばれ、私たちの消化酵素では消化されにくく大腸まで届く成分です。「繊維」という名前から、野菜の硬いスジだけを想像しがちですが、水に溶けやすいものや溶けにくいもの、でんぷんに似たものなど、さまざまな種類があります。
よく「水溶性」と「不溶性」に分けて説明されますが、普段の食事で二つを細かく計算する必要はありません。穀類、いも類、豆類、野菜、きのこ、海藻、果物など複数の植物性食品を組み合わせれば、異なる種類の食物繊維をとりやすくなります。
食物繊維は便のかさとなる材料になり、一部は腸内細菌に利用されます。一方で、食物繊維をとれば便秘や体重、血糖などの悩みが必ず解決するわけではありません。症状には食事以外の要因も関係するため、治療の代わりにはしないでください。
30代以降の女性は1日どれくらいが目安?
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、食物繊維の目標量が次のように示されています。
| 年齢 | 女性の目標量 |
|---|---|
| 18〜29歳 | 18g以上/日 |
| 30〜49歳 | 18g以上/日 |
| 50〜64歳 | 18g以上/日 |
| 65〜74歳 | 18g以上/日 |
| 75歳以上 | 17g以上/日 |
ここでいう「目標量」は、生活習慣病の予防を目的に、日本人が当面目標とすべき摂取量として設定されたものです。毎日ぴったり同じ数字に合わせるノルマではありません。
厚生労働省のe-ヘルスネットによると、令和6年国民健康・栄養調査で20歳以上の日本人の平均摂取量は1日18.1gでした。同ページでは、まず1日あたりプラス3〜4gを目安に無理なく増やす方法が紹介されています。最初から完璧を目指すより、「いつもの食事のどこなら足せるか」を探すほうが続けやすいでしょう。
食物繊維をとりやすい食品は?
主食:毎日食べるものを少し替える
主食は、一度の変更を習慣にしやすい場所です。白米へ押し麦を混ぜる、胚芽米や雑穀ごはんを選ぶ、食パンを全粒粉パンやライ麦パンへ替える、麺ならそばを選ぶ、といった方法があります。
毎食を替える必要はありません。まずは一日一食だけでも十分です。商品によって食物繊維量が異なるため、包装の栄養成分表示を確認しましょう。
副菜:野菜だけでなく、いも・きのこ・海藻も
農林水産省の「食事バランスガイド」では、副菜を野菜、いも、豆類(大豆を除く)、きのこ、海藻などを主材料とする料理と説明しています。サラダだけに限定せず、具だくさんの汁物、きのこの炒め物、ひじきの煮物、さつまいもなども選択肢です。
汁物で増やすときは、具を増やす一方で、汁の量や味付けを濃くしすぎないようにします。食物繊維だけを見て、食塩のとりすぎにならないよう注意しましょう。
豆類:主菜にも小鉢にも使える
納豆、大豆、いんげん豆、あずき、おからなどは、食物繊維をとりやすい食品です。豆腐や豆乳は製品によって食物繊維量が異なるため、同じ大豆製品でも一括りにせず表示を確認します。
朝食に納豆を足す、サラダやスープへ豆を入れる、おからを小鉢にするなど、料理へ自然に加えられる方法を選びましょう。
果物:間食の選択肢として
りんご、みかん、バナナなどの果物も食物繊維の供給源です。菓子をすべて果物へ置き換える必要はありませんが、間食の選択肢の一つにすると、無理なく食品の種類を増やせます。
果汁飲料は果物そのものと栄養成分が同じとは限りません。食物繊維を目的に選ぶなら、果物そのものや、食物繊維量が表示された商品を確認してください。
今日からできる「4つの足し算」

| 食事場面 | 今の食事 | 足し算の例 |
|---|---|---|
| 朝 | 白いパンと飲み物だけ | 全粒粉パンへ替える、果物を添える |
| 昼 | 麺やおにぎりだけ | 海藻・豆・きのこを使った小鉢や汁物を足す |
| 夜 | 主食と主菜で終わる | 野菜やきのこの副菜、具だくさん汁を足す |
| 間食 | 菓子だけになりやすい | 一部を果物や食べ慣れた豆類へ替える |
e-ヘルスネットでは、押し麦、そば、さつまいも、納豆、おから、いんげん豆、切り干し大根、ごぼう、ブロッコリー、しいたけ、ひじき、りんごなどは、平均的な一食分に2〜3gほど食物繊維を含む例として挙げられています。ただし、食品の種類、調理法、一食量、成分表の測定法によって数値は変わります。特定の食品だけを大量に食べず、組み合わせて考えましょう。
急に増やす前に知っておきたい注意点
少しずつ増やし、水分も忘れない
食物繊維を急に多くすると、膨満感やガス、腹部の不快感が出る方もいます。普段あまりとっていない場合は、食品を一品足すところから始め、体調を確認します。水やお茶などの水分も食事の中で欠かせません。
「食物繊維が多い」だけで商品を決めない
加工食品や補助食品を選ぶときは、食物繊維量だけでなく、エネルギー、食塩、糖類、脂質、原材料、アレルギー表示なども確認します。サプリメントや飲料だけに頼るより、まず普段の食事で食品の種類を増やせないか考えましょう。
症状があるときは一般情報だけで判断しない
強い腹痛、血便、便通の急な変化、長く続く便秘や下痢がある場合は、食物繊維だけで対処しようとせず医療機関へ相談してください。消化器疾患、腎疾患、糖尿病などで治療中の方、食事制限がある方、妊娠中・授乳中の方は、医師や管理栄養士の個別の指示を優先します。
よくある質問
野菜ジュースで食物繊維を補えますか?
製品によって食物繊維量は大きく異なります。野菜そのものと同じとは考えず、栄養成分表示の「食物繊維」を確認してください。飲料だけに偏らず、主食、副菜、豆類、果物など食品の組み合わせも大切です。
水溶性と不溶性を毎日計算すべきですか?
一般的な健康づくりでは、まず総量と食品の多様性を意識すればよいでしょう。一つの種類だけを狙わず、穀類・豆類・野菜・きのこ・海藻・果物などを組み合わせます。医師や管理栄養士から個別の指示がある場合は、その内容を優先してください。
ダイエット中は食物繊維が多ければ多いほどよいですか?
多いほどよいとは限りません。体重管理は、食物繊維だけでなく、食事全体の量とバランス、活動量、睡眠など複数の要素に左右されます。極端な食事制限や特定食品への偏りは避けましょう。
まとめ|一つの食品ではなく、毎日の食事へ少しずつ
食物繊維は、野菜だけでなく、穀類、いも類、豆類、きのこ、海藻、果物など多くの植物性食品に含まれます。成人女性は1日18g以上が主な目標ですが、数字だけに追われず、今の食事へプラス3〜4gほどを意識して少しずつ増やす方法が現実的です。
まずは「主食を一食だけ替える」「副菜を一品足す」「納豆や豆の小鉢を使う」「間食に果物を選ぶ」のどれか一つから始めましょう。
食事全体を整える考え方は運動前後の食事ガイド、たんぱく質についてはプロテインとたんぱく質の基本も参考にしてください。運動を生活へ取り入れたい方は、LIFESHIFT江南駅前店の案内や料金・プラン、体験・お問い合わせをご覧いただけます。

