筋トレを始めると、「しゃがむときと立つとき、どちらで息を吐くの?」「動きに集中すると息を止めてしまう」と迷うことがあります。
先に結論をいうと、初心者が覚えやすい基本は、力を出す局面で息を吐き、元の位置へ戻す局面で息を吸うことです。ただし、動きと呼吸を完璧に合わせることより、まずは息を止めず、自然に呼吸を続けることを優先しましょう。
- スクワットなら、しゃがむときに吸い、立つときに吐く
- 胸のマシンなら、ハンドルを押すときに吐き、戻すときに吸う
- 数えながら動くと、息を吐くきっかけを作りやすい
- 呼吸が乱れるなら、重さ・回数・動く速さを見直す
この記事では、30代以降の運動初心者の女性に向けて、筋トレ中の呼吸の考え方と、息を止めやすいときの調整方法をやさしく整理します。
なぜ筋トレ中は息を止めないほうがよいの?
重い物を持ち上げるとき、無意識に息を止めることがあります。腹部に力を入れやすくなる一方で、息こらえは運動中の血圧反応を大きくする可能性があります。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、筋トレ中は血圧の急激な上昇を抑えるため、息をこらえないよう注意することが示されています。American Heart Associationも、運動中に規則的に呼吸し、息を止めないよう案内しています。
高重量を扱う競技では別の呼吸法が使われることもありますが、健康づくりを目的に始める方は、まず自然な呼吸を続ける練習からで十分です。
基本は「力を出すときに吐く、戻すときに吸う」
筋肉が力を出して重さを動かす局面を「力を出すとき」、ゆっくり元の位置へ戻す局面を「戻すとき」と考えると分かりやすくなります。
| 種目の例 | 力を出すとき(吐く) | 戻すとき(吸う) |
|---|---|---|
| スクワット | 床を押して立つ | ゆっくりしゃがむ |
| チェストプレス | ハンドルを前へ押す | 胸の前へ戻す |
| ローイング | ハンドルを体へ引く | 腕を前へ戻す |
| ヒップリフト | お尻を持ち上げる | 床へゆっくり戻す |
たとえばチェストプレスでは、「ふー」と吐きながら押し、吸いながらゆっくり戻します。息を一気に吐き切る必要はありません。動いている間に細く長く吐くイメージで構いません。

呼吸と動きが合わないときの3つの工夫
1. 最初は「吐く局面」だけ決める
吸う・吐くを同時に考えると混乱する方は、まず力を出すときの「吐く」だけを決めます。吐き終われば、戻す動作で自然に息を吸いやすくなります。
スクワットなら、立ちながら「ふー」と声にならない程度に吐きます。呼吸の音を少し感じられるくらいでも十分です。
2. 反復回数を小さく数える
「いち」で力を出しながら吐き、「に」で戻しながら吸うと、呼吸のきっかけを作れます。
ただし、会話できるかどうかだけで安全性を判断することはできません。めまい、胸の痛み、強い息苦しさ、いつもと違う動悸などがあれば運動を中止し、必要に応じて医療機関へ相談してください。
3. 重さを下げ、動きをゆっくりにする
呼吸を意識しても毎回止まる場合は、現在の負荷が高い可能性があります。重さを一段階下げる、回数を減らす、反動を使わずゆっくり動く、といった調整をしましょう。
呼吸が続く範囲で正しいフォームを保てることが、初心者には大切です。回数やセット数の決め方は、初心者向けの負荷・回数・セットの基本も参考になります。
種目によって「力を出す瞬間」が分からないときは
動作の名前だけでは、どちらが力を出す局面か判断しにくい種目もあります。その場合は、次のように考えてください。
- 重りや自分の体を、重力やマシンの負荷に逆らって動かす側を探す
- その局面で細く吐く
- 元の位置へ戻る局面で自然に吸う
たとえばローイングはハンドルを引くとき、レッグプレスは足で台を押すときが「力を出す局面」です。プランクのように姿勢を保つ種目には明確な往復がないため、短く息を止めず、吸う・吐くをゆっくり繰り返します。
腹部へ力を入れることと、息を止めることは同じではありません。体幹を使う感覚を知りたい方は、体幹と腹筋の違い・姿勢と呼吸の基本をご覧ください。
安全のために負荷を見直したいサイン
次のようなときは、呼吸だけで解決しようとせず、いったん運動を止めて負荷や体調を確認します。
- 一回ごとに長く息を止めないと動かせない
- フォームが崩れ、反動を大きく使っている
- めまい、吐き気、胸の痛み、強い息苦しさがある
- いつもと違う動悸や頭痛がある
- 痛みが強くなる、または動作を続けられない
高血圧、心臓・呼吸器の病気、治療中の病気、妊娠中・産後などで運動について個別の判断が必要な方は、自己判断で負荷を上げず、医師や運動指導の専門家へ相談してください。
LIFESHIFTで呼吸と動きを一緒に確認する
呼吸のタイミングは、文章で理解しても、実際の動きでは迷うことがあります。LIFESHIFT江南駅前店は、女性専用・最大5名の少人数制セミパーソナルジムです。少人数の環境で、動きや負荷とともに呼吸のタイミングも確認できます。
最新のサービス内容と料金は料金・プランページをご確認ください。運動経験や体調に不安がある方は、お問い合わせページから事前に相談できます。
よくある質問
鼻から吸って口から吐くべきですか?
初心者の筋トレでは、鼻・口の使い分けにこだわるより、息を止めず自然に呼吸できることを優先してください。口をすぼめて細く吐くと、吐くタイミングを感じやすい方もいます。
呼吸が逆になっても効果はなくなりますか?
一度逆になったからといって、運動が無意味になるわけではありません。動作を止めて呼吸を整え、軽い負荷で再開しましょう。呼吸を完璧に合わせることより、息こらえを避けて安全に続けることが大切です。
何回くらいで呼吸に慣れますか?
慣れる速さには個人差があります。最初は軽い負荷で数回、呼吸とフォームだけを確認しましょう。
息を吐くと力が抜ける気がします
一気に吐き切らず、「ふー」と細く吐きながら動いてみてください。それでも姿勢が保てない場合は、負荷が高すぎないか見直します。個別のフォームは、トレーナーなど運動指導の専門家へ確認しましょう。
まとめ|完璧なタイミングより、息を止めないことから
筋トレ中の呼吸は、力を出すときに吐き、戻すときに吸うのが覚えやすい基本です。ただし、最優先は息を止めず、自然な呼吸を続けることです。
呼吸が止まるなら、重さを下げ、回数を減らし、ゆっくり動きましょう。軽い負荷で呼吸とフォームを一緒に練習すると、動作へ集中しやすくなります。無理のない負荷から、自分のペースで身につけていきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/undou/index.html
- e-ヘルスネット「『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023』情報シート:筋力トレーニングについて」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-00-005.html
- American College of Sports Medicine, “Selecting and Effectively Using Free Weights” https://www.acsm.org/docs/default-source/files-for-resource-library/selecting-and-effectively-using-free-weights.pdf
- American Heart Association, “Getting Active to Control High Blood Pressure” https://www.heart.org/en/health-topics/high-blood-pressure/changes-you-can-make-to-manage-high-blood-pressure/getting-active-to-control-high-blood-pressure
- Linsenbardt ST, Thomas TR. Madsen RW. Effect of breathing techniques on blood pressure response to resistance exercise. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1623367/

